化学プラントでの音響カメラ活用――配管・バルブのガスリーク検知を効率化する

/化学プラントでは可燃性・有毒ガスの漏れは重大事故に直結します。定期的な漏れ検知は安全管理の基本ですが、広大なプラントを効率よく点検することは容易ではありません。この記事では化学プラント特有の環境条件を踏まえた音響カメラの活用方法を解説します。

化学プラント特有の点検ニーズ

化学プラントの漏れ検知には以下の特有の条件があります。

  • 可燃性・有毒ガスの取り扱い
  • 高温・高圧配管が多い
  • 広大なプラントエリア
  • 高所配管・狭所への立ち入り制限
  • 定期修繕(ターンアラウンド)の効率化ニーズ

音響カメラが化学プラントに向いている理由

①離れた場所から安全に検知できる 有毒・可燃性ガスが漏れている可能性がある箇所に近づかずに検知できます。FOTRICの上位機種は200m以上の距離から検知可能です。

②高所・狭所を地上からスキャンできる 高所配管や足場のない狭所エリアを地上から点検できます。足場設置コストと高所作業リスクを大幅に削減できます。

③稼働中の設備を点検できる プラントを停止せずに点検できるため、生産への影響がありません。

④広範囲を短時間でスキャンできる 広大なプラントエリアを効率よくスクリーニングできます。


主な点検対象

①配管継手・フランジ接続部 ガスケットの劣化・ボルトの緩みによる漏れが発生しやすい箇所です。定期的なスキャンで早期発見できます。

②バルブ・コントロールバルブ グランドパッキンの劣化による漏れが多い箇所です。バルブ数が多いプラントでは音響カメラによる一斉点検が有効です。

③コンプレッサー・ポンプのシール部 回転機のメカニカルシール・グランドパッキンの漏れを検知します。

④熱交換器 チューブ側・シェル側の接続部からの漏れを検知します。


防爆エリアでの使用について

化学プラントの防爆エリアでの機器使用には注意が必要です。防爆エリアでの使用可否については現場の安全管理規定と機器仕様を確認した上で判断してください。詳細はお問い合わせください。


定期修繕(ターンアラウンド)での活用

化学プラントでは数年に1度の定期修繕で全設備を点検します。音響カメラを使えば修繕後の再稼働時に全配管・バルブの漏れ確認を短時間で実施できます。

従来は再稼働後に石鹸水や検知器で1箇所ずつ確認していた作業を、音響カメラで広域スキャンしてから精査箇所を絞り込む2段階方式に変えることで、確認作業の時間を大幅に短縮できます。


点検フロー

  1. プラントマップで点検エリアを区分けする
  2. 各エリアを音響カメラで広域スキャン(スクリーニング)
  3. 高輝度スポットを記録・リスト化
  4. 優先度の高い箇所から精査・修繕
  5. 修繕後に再スキャンして効果を確認

まとめ

  • 化学プラントでは離れた場所からの安全な漏れ検知が最優先
  • 音響カメラは200m以上の距離から検知可能で高所・危険エリアに強い
  • 防爆エリアでの使用可否は現場の安全管理規定と機器仕様を確認する
  • 定期修繕後の再稼働確認作業を大幅に効率化できる
  • スクリーニング→精査の2段階フローで効率的に全数点検できる

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