音響カメラ市場でFOTRICとHIKMICROはどちらも幅広いラインナップを持つメーカーです。この記事では両社のスペックを中立的な立場で比較します。
メーカー概要
FOTRIC アメリカに本社を置くメーカーです。音響カメラとサーモカメラの両方を製造しています。エントリーモデルから高性能モデルまで幅広いラインナップを持ちます。
HIKMICRO 中国・杭州に本拠を置くHIKVISIONの子会社です。監視カメラで世界的なシェアを持つHIKVISIONのグループ会社として産業用カメラ・計測機器を製造しています。
スペック比較表
エントリーモデル比較
| 項目 | FOTRIC TD2e Kit | HIKMICRO AI56 |
|---|---|---|
| マイク数 | 64個 | 64個 |
| 周波数帯域 | 2k〜100kHz | 2k〜65kHz |
| 測定距離 | 0〜60m | 0.3〜100m |
| 重量 | 770g | 約940g |
| 放電検知 | ✕ | ◎ |
| ガスリーク検知 | 〇 | 〇 |
ミドル〜ハイエンドモデル比較
| 項目 | FOTRIC H4 mini | FOTRIC H4 | FOTRIC H6 | HIKMICRO AI76 |
|---|---|---|---|---|
| マイク数 | 112個 | 112個 | 162個 | 136個 |
| 周波数帯域 | 2k〜100kHz | 2k〜100kHz | 2k〜100kHz | 0〜96kHz |
| 測定距離 | 0.3〜100m | 0.3〜200m | 0.3〜200m | 記載なし |
| 重量 | 770g | 1.3kg | 1.3kg | 約1.2kg |
| 放電検知 | ✕ | ◎ | ◎ | ◎ |
| ガスリーク検知 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
各メーカーの特徴
FOTRIC アメリカ本社のメーカーとして品質基準を維持しながら幅広い価格帯のラインナップを提供しています。
全モデルが2k〜100kHzの広帯域に対応しており現場の騒音環境に合わせた周波数帯域の設定が可能です。実際にコンビナートのような騒音が激しい環境でデモを実施した際、周波数帯域を高め(40kHz以上)に設定することで稼働中のラインから複数の漏れ箇所を特定できた実績があります。
エントリーモデルのTD2e Kitは770gと軽量で片手操作が可能です。放電検知はH4以上のモデルから対応しています。音響とサーモを1台に統合したVMiXシリーズは他社にはない独自のモデルです。また測定距離がH4以上で最大200m・H7で最大300mと業界トップ水準です。
HIKMICRO HIKVISIONグループの技術力を活かした音響カメラです。AI56はエントリーモデルながら放電検知に対応しています。AI76は136個のマイクを搭載しており0〜96kHzの広帯域に対応しています。
主な違いのポイント
①周波数帯域の上限 FOTRICは全モデル100kHz対応です。HIKMICROのAI56は65kHz・AI76は96kHzまで対応しています。より高周波帯域での検知が必要な用途ではFOTRICが有利です。
②放電検知 FOTRICはTD2e KitとH4 miniが放電検知非対応ですがH4以上から対応しています。HIKMICROはAI56からエントリーモデルで放電検知に対応しています。放電検知を最初から必要とする場合はHIKMICROのAI56も選択肢になります。
③測定距離 FOTRICのH4以上は最大200m・H7は最大300mと業界トップ水準の測定距離を誇ります。HIKMICROのAI76は測定距離の公式データが確認できていません。広大なプラント・発電所での点検にはFOTRICが有利です。
④重量 FOTRICのTD2e Kit・H4 miniは770gと非常に軽量です。HIKMICROのAI56は約940gです。長時間の点検作業・高所作業では重量差が作業効率と安全性に影響します。
⑤統合モデルの有無 FOTRICのVMiXシリーズは音響とサーモを1台に統合した世界唯一のモデルです。HIKMICROにはこのような統合モデルはありません。
用途別の選定目安
| 用途 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| エア漏れ検知のみ・まず試したい | FOTRIC TD2e Kit | 軽量・必要な性能を備えている |
| エントリーモデルで放電検知も必要 | HIKMICRO AI56 | エントリーで放電検知対応 |
| 高騒音環境・広大なプラント | FOTRIC H4以上 | 広帯域・長距離・高マイク数 |
| 音響+サーモを1台で | FOTRIC VMiX | 世界唯一の統合モデル |
まとめ
- FOTRICとHIKMICROはどちらも幅広いラインナップを持つ音響カメラメーカー
- FOTRICは全モデル100kHzの広帯域・業界トップの測定距離が強み
- HIKMICROはエントリーモデルAI56から放電検知に対応している点が特徴
- FOTRICの770gモデルはHIKMICROより軽量で高所・長時間作業に有利
- 音響+サーモ統合モデルはFOTRIC VMiXのみ
- 用途・現場環境・予算に合わせて選定することが重要
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