半導体工場でのサーモグラフィ活用――クリーンルーム・製造装置の異常発熱を非接触で検知する

/半導体工場では設備の突発停止が直接的な歩留まり低下・製品ロスにつながります。そのため予知保全への投資意欲が高い業種の一つです。この記事では半導体工場特有の環境条件を踏まえたサーモグラフィの活用方法を解説します。

半導体工場特有の点検ニーズ

半導体工場の設備点検には以下の特有の条件があります。

  • クリーンルーム内での作業制限
  • 設備停止が許されない連続運転ライン
  • 精密設備への接触禁止
  • 静電気対策が必要なエリア
  • 24時間365日稼働

これらの条件から非接触・非停止で点検できるサーモグラフィは特に相性が良いです。


主な点検対象

①製造装置の電源・制御ユニット CVD装置・エッチング装置・露光装置などの電源ユニット・インバータ・制御盤の異常発熱を検知します。突発停止の多くは電気系統の異常発熱が原因です。

②冷却水配管・チラーユニット 製造装置の冷却系統の温度分布を確認します。冷却不足による温度上昇は製品品質に直結します。

③真空ポンプ・ドライポンプ クリーンルームで多用される真空ポンプのベアリング・モーター部の発熱を定期監視します。

④UPS・電源設備 無停電電源装置のバッテリー・整流器の異常発熱は停電リスクに直結します。定期的なサーモ点検が有効です。

⑤配電盤・分電盤 クリーンルーム内外の配電設備の接続部異常を検知します。


クリーンルーム内での使用上の注意

①パーティクル対策 サーモカメラ本体からの発塵を避けるため、クリーンルーム対応のカバーまたはクリーンルーム外からの窓越し撮影を検討します。

②温度環境の影響 クリーンルーム内は温湿度管理が厳密です。環境温度が一定のため、異常発熱の検知精度が上がりやすい環境です。

③撮影距離の確保 設備への接触禁止エリアでは離れた場所からの撮影が必要です。IFOVの小さいモデルを選定することで遠距離からの精密測定が可能です。


点検フロー

  1. クリーンルーム外の電気室・ユーティリティエリアから開始
  2. 配電盤・UPS・チラーユニットを重点的に点検
  3. クリーンルーム内は窓越しまたはクリーンルーム対応で実施
  4. 製造装置の電源ユニット・制御盤を点検
  5. 異常発見時は設備担当者と連携して原因調査

点検頻度の目安

設備推奨頻度
主要製造装置の電源ユニット月1回
配電盤・UPS月1回
真空ポンプ・チラー3ヶ月に1回
一般電気設備6ヶ月に1回

まとめ

  • 半導体工場は設備停止コストが高く予知保全ニーズが高い
  • 非接触・非停止のサーモグラフィは半導体工場と相性が良い
  • 電源ユニット・冷却系統・真空ポンプが主な点検対象
  • クリーンルーム内はパーティクル対策を考慮した点検方法を選ぶ
  • 温湿度管理されたクリーンルームは異常発熱の検知精度が上がりやすい

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