エア漏れの検知機器を探していると、必ず「音響カメラ」と「超音波検知器」という2つの選択肢にたどり着きます。この2つは何が違うのか、どちらを選ぶべきか、現場目線で正直に解説します。
そもそも何が違うのか
超音波検知器はペン型・ピストル型の非接触型機器で、空気中の超音波を音や数値で検知します。エア漏れ箇所に近づけて使いますが、どの方向から音が来ているか視覚的にはわかりません。価格は数万円〜30万円程度です。
音響カメラは複数のマイクロフォンアレイで超音波を受信し、カメラ映像に音源の位置を重ねて表示します。離れた場所から広範囲をスキャンでき、漏れ箇所が画面上に視覚的に表示されます。価格は30万円〜300万円程度です。
7つの観点で比較する
| 比較項目 | 超音波検知器 | 音響カメラ |
|---|---|---|
| 価格 | 数万円〜30万円 | 30万円〜300万円 |
| 有効距離 | 1〜3m | 3〜30m以上 |
| 操作難易度 | やや高い | 誰でも使える |
| 漏れ箇所の特定 | 難しい | 画面で一目瞭然 |
| 騒音環境での精度 | 低下しやすい | 高い |
| 点検スピード | 遅い | 速い |
| 高所・狭所での使用 | 困難 | 離れた場所から可能 |
超音波検知器が向いているケース
- 予算が限られている
- 点検箇所が少ない
- ある程度静かな環境で使う
- 担当者が機器の扱いに慣れている
超音波検知器は安価で手軽ですが、漏れ箇所に1〜3mまで近づく必要があるため、高所・狭所・危険エリアでの点検には限界があります。また騒音環境では感度が落ち、漏れ箇所の特定に時間がかかります。使いこなすには経験が必要で、担当者によって結果がばらつく「属人化」が起きやすいです。
音響カメラが向いているケース
- 工場全体を効率よく点検したい
- 騒音が大きい環境で使う
- 点検を標準化・効率化したい
- 微小なリークも見逃したくない
- 高所・狭所・危険エリアを安全に点検したい
音響カメラは3〜30m以上離れた場所からスキャンできるため、立ち入りが難しいエリアでも安全に点検できます。画面上に漏れ箇所が視覚的に表示されるため、専門知識がなくても使えます。広範囲を短時間でスキャンできるため、工場全体の点検時間を大幅に短縮できます。
実際の現場での差
あるプラントで超音波検知器を使って「異常なし」と判断された設備を、音響カメラで再検査したところ、複数の微小リークが発見されたケースがあります。騒音環境では超音波検知器の感度が著しく低下するためです。
音響カメラは可聴音の騒音帯域とは分離した超音波帯域で動作するため、稼働中のラインでもS/N比を確保できます。実際に騒音90dB以上のプラントで「この環境では見つけられないでしょう」と言われた現場でも、複数の漏れ箇所をその場で特定できました。
価格差をどう考えるか
超音波検知器との価格差は大きいですが、以下を考慮すると音響カメラの投資対効果は高いです。
- 発見できる漏れの数が圧倒的に多い
- 点検にかかる工数が大幅に減る
- 属人化リスクがなくなる
- 高所・危険エリアへの立ち入りリスクがなくなる
例えばエントリーモデルの音響カメラ(約30万円)で工場全体のエア漏れを一度点検し、年間100万円以上のロスを発見・改善できれば、初年度で投資回収できます。
まとめ
- 超音波検知器は安価だが有効距離1〜3mで騒音環境・広範囲点検には限界がある
- 音響カメラは3〜30m以上離れた場所から視覚的・効率的に検知できる
- 高所・狭所・危険エリアの点検安全性が大幅に向上する
- エントリーモデルなら30万円台から導入可能
- 投資回収は発見したエア漏れの改善効果で初年度中に可能なケースが多い
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