FOTRIC H4はエア漏れ検知に加えて放電検知にも対応した最小モデルです。さらにマイクパネルが大きくなることで指向性・ビームフォーミング性能が向上しています。この記事ではH4の特徴と向いている用途を解説します。
H4 miniとH4の比較
| 項目 | H4 mini | H4 |
|---|---|---|
| マイク数 | 112個 | 112個 |
| 周波数帯域 | 2k〜100kHz | 2k〜100kHz |
| 測定距離 | 0.3〜100m | 0.3〜200m |
| 重量 | 770g | 1.3kg |
| バッテリー駆動時間 | 4時間以上 | 4時間以上 |
| ディスプレイ | 3.5インチ | 5.0インチ |
| 放電検知 | ✕ | ◎ |
| ガスリーク検知 | 〇 | ◎ |
H4の最大の特徴①:放電検知対応
H4から放電検知に対応しています。FOTRICのラインナップの中で放電検知ができる最も手の届きやすいモデルです。
放電検知が必要な現場は以下の通りです。
- 高圧受変電設備を持つ工場
- 変電所・開閉所
- 電気保安法人による定期点検
- キュービクル・高圧ケーブルの管理
エア漏れ点検と電気設備の放電検知を1台で実施できるため、機器投資を抑えながら幅広い点検に対応できます。
H4の最大の特徴②:マイクパネルの大型化によるビームフォーミング性能の向上
H4 miniとH4はマイク数が同じ112個ですが、H4はマイクパネルが大きくなっています。これが重要な性能差につながります。
ビームフォーミングとは 複数のマイクで受信した音波を処理して、特定方向の音を強調する技術です。音響カメラはこの技術を使って音源の位置を画面上に可視化しています。
マイクパネルが大きくなることで何が変わるか
指向性が向上する マイクパネルが大きいほど、特定方向からの音をより正確に捉えられます。複数の漏れ箇所が近接している場合でも、それぞれを独立した音源として分離して表示できます。
ビームフォーミング精度が上がる パネルサイズが大きいほど音波の位相差を精密に計算できます。結果として音源の位置精度が向上し、漏れ箇所をより正確に特定できます。
遠距離での検知精度が上がる 指向性が高いほど遠距離からでも音源を正確に捉えられます。H4の測定距離が200mに延長されているのはこのためです。
H4 miniからH4への主な変更点まとめ
①放電検知対応 最も重要な変更点です。高圧設備の絶縁劣化診断が可能になります。
②マイクパネル大型化による指向性・ビームフォーミング性能向上 同じ112マイクでもパネルサイズが大きいことで音源位置精度・分離精度・遠距離検知性能が向上します。
③測定距離が200mに延長 H4 miniの100mから200mに延長されています。広大なプラント・発電所での点検に対応できます。
④ディスプレイが5インチに拡大 H4 miniの3.5インチから5インチに大きくなり現場での視認性が向上しています。
⑤重量が1.3kgに増加 H4 miniの770gから1.3kgに増えています。マイクパネルの大型化による変更です。
H4が向いている現場
①エア漏れと放電検知の両方が必要な現場 工場の設備点検でエア漏れ診断と高圧設備の放電検知を同じ機器で実施したい場合に最適です。
②近接した複数の漏れ箇所を分離して検知したい現場 ビームフォーミング性能が高いため、複数の漏れが密集しているエリアでも個別に特定できます。
③広大なプラント・発電所 測定距離200mと高い指向性により大規模施設での点検に向いています。
④電気保安法人・点検業者 複数の用途に1台で対応できるため点検業務の効率化に貢献します。
H4を選ぶ判断基準
H4 miniで十分なケース
- エア漏れ・ガスリーク検知のみ
- 測定距離100m以内で十分
- 軽量(770g)を重視する
- 漏れ箇所が密集していない
H4が必要なケース
- 放電検知も実施したい
- 近接した複数の漏れ箇所を分離して特定したい
- 測定距離200mが必要
- 高い指向性・ビームフォーミング精度を求める
まとめ
- H4はFOTRICラインナップで放電検知対応の最小モデル
- マイクパネルの大型化により指向性・ビームフォーミング性能が向上している
- 同じ112マイクでもパネルサイズの違いが音源位置精度・分離精度に影響する
- 測定距離200mで広大なプラント・発電所に対応
- エア漏れだけでなく電気設備診断も必要な現場に最適
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