半導体工場では配管・チャンバー・継手の気密試験が重要な工程の一つです。しかし気密試験で不合格になると原因特定と修繕に多くの時間がかかります。音響カメラを使って気密試験前にスクリーニングを実施することで不合格率を大幅に下げられます。この記事ではその方法を解説します。
気密試験前スクリーニングとは
気密試験は設備に圧力をかけて漏れがないかを確認する試験です。不合格になった場合は漏れ箇所を特定して修繕してから再試験が必要になります。
音響カメラによる事前スクリーニングは気密試験の前段階で実施します。試験前の段階で明らかな漏れ・リスクのある箇所を特定して修繕しておくことで気密試験の合格率を上げられます。
気密試験前スクリーニングが有効な理由
①気密試験の不合格コストが高い 半導体工場での気密試験不合格は以下のコストが発生します。
- 漏れ箇所特定の時間
- 修繕作業の時間
- 再試験の時間
- 生産開始の遅延
これらのコストを事前スクリーニングで大幅に削減できます。
②音響カメラは加圧状態での検知が得意 気密試験前のスクリーニングでは設備に試験圧力より低い予備圧力をかけた状態で音響カメラでスキャンします。明らかな漏れ箇所は超音波として検知できます。
③非破壊・非停止で実施できる 音響カメラは非接触で検知できるため設備を傷つけずにスクリーニングできます。
スクリーニングの手順
Step1:予備加圧を行う 気密試験圧力の50〜80%程度の予備圧力をかけます。この圧力でも明らかな漏れは音響カメラで検知できます。
Step2:音響カメラで全体をスキャン 継手・フランジ・バルブ・溶接部など漏れリスクの高い箇所を重点的にスキャンします。
Step3:高輝度スポットを記録する 音響カメラの画面上で明るく表示された箇所を記録します。
Step4:修繕を実施する 発見した漏れ箇所を修繕します。継手の増し締め・シール材の交換・溶接補修などを実施します。
Step5:気密試験を実施する 修繕後に正規の気密試験を実施します。
半導体工場特有の注意点
①クリーンルーム対応 クリーンルーム内での使用はパーティクル対策が必要です。クリーンルーム外から窓越しにスキャンするか、クリーンルーム対応の運用方法を検討してください。
②使用ガスの種類 半導体工場では窒素・特殊ガスなど様々なガスが使われています。音響カメラはガスの種類に関わらず漏れから発生する超音波を検知できます。
③微小リークへの対応 気密試験で求められる精度の微小リークは音響カメラでの検知が難しい場合があります。音響カメラはあくまでスクリーニングとして使い、精密な気密試験はヘリウムリークテスターなどの専用機器で実施することをお勧めします。
スクリーニングの効果
音響カメラによる事前スクリーニングを導入した場合の効果の目安です。
- 気密試験の一発合格率が向上する
- 不合格時の原因特定時間が短縮される
- 生産開始までのリードタイムが短縮される
- 設備の信頼性向上につながる
まとめ
- 気密試験前の音響カメラスクリーニングで不合格率を下げられる
- 予備加圧状態でスキャンして明らかな漏れを事前に発見する
- 音響カメラはスクリーニング用途として使い精密試験は専用機器で実施する
- クリーンルーム対応・使用ガスの種類に注意する
- 気密試験の合格率向上・リードタイム短縮・コスト削減効果が期待できる
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