/「予知保全をやりたいがどこから始めればいいかわからない」という声を現場でよく聞きます。サーモグラフィカメラは予知保全の入口として最も導入しやすいツールの一つです。この記事では具体的な最初のステップを解説します。
なぜサーモグラフィが予知保全の入口に向いているか
予知保全には振動計測・油分析・超音波診断など様々な手法があります。その中でサーモグラフィが入口に向いている理由は3つです。
- 非接触・非停止で測定できる: 稼働中の設備をそのまま測定できる
- 結果が視覚的でわかりやすい: 熱画像で異常箇所が一目でわかる
- 幅広い設備に使える: 電気設備・回転機・配管・建物まで対応
ステップ1:まず電気設備から始める
予知保全でサーモグラフィを最初に使うべき対象は電気設備です。理由は効果が出やすく、リスクが大きいからです。
受配電盤・分電盤・モーター制御盤の異常発熱は、放置すると火災・停電・生産停止につながります。定期的なサーモグラフィ点検でこれを未然に防げます。
点検頻度の目安は重要設備で年2回、一般設備で年1回です。
ステップ2:回転機に広げる
電気設備の次はモーター・ポンプ・ファン・コンプレッサーなどの回転機です。
ベアリングの異常発熱は故障の前兆として現れます。正常時の温度を記録しておき、次回点検時との差分を見ることで異常を早期発見できます。
温度差の目安は以下の通りです。
| 温度差 | 判断 |
|---|---|
| 10℃以下 | 正常範囲 |
| 10〜20℃ | 要注意・監視強化 |
| 20〜40℃ | 異常・早期対応推奨 |
| 40℃以上 | 緊急対応が必要 |
ステップ3:記録と比較の仕組みを作る
サーモグラフィ点検で最も重要なのは「比較」です。1回の点検では正常か異常かの判断が難しいケースがあります。同じ設備・同じ条件で定期的に撮影し、温度変化のトレンドを見ることで精度が上がります。
記録すべき項目は以下です。
- 撮影日時・環境温度
- 設備名・測定箇所
- 最高温度・平均温度
- 放射率設定値
- 前回との温度差
カメラ選定のポイント
予知保全用のサーモカメラ選定で最初に確認すべきは温度分解能(NETD)と画素数です。
一般的な設備点検ではNETD 0.05℃以下・画素数320×240以上のモデルが実用的です。
FOTRICのサーモカメラはこの条件を満たしており、エントリーモデルから導入可能です。予算・用途・現場規模に応じたモデル選定についてはお気軽にご相談ください。
予知保全導入でよくある失敗
①記録を取らない 1回撮って終わりでは予知保全になりません。定期的な記録と比較が前提です。
②放射率を設定しない カメラのデフォルト放射率のまま使うと温度表示が大きくずれます。測定対象に合わせた放射率設定が必須です。
③異常の判断基準を決めていない 「何℃以上で異常とするか」を事前に決めておかないと、結果を見ても判断できません。設備ごとに基準値を設定してください。
まとめ
- サーモグラフィは予知保全の入口として最も導入しやすい
- まず電気設備から始めて効果を実感する
- 次に回転機・配管へ広げる
- 定期記録と比較が精度向上のカギ
- 放射率設定・判断基準の事前設定が失敗しないポイント
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