音響カメラはエア漏れ検知のツールとして知られていますが実際にはそれ以外にも幅広い用途があります。この記事では実際に寄せられた問い合わせや現場での活用事例をもとに音響カメラの意外な用途を紹介します。
音響カメラが幅広い用途に使える理由
音響カメラは超音波帯域だけでなく可聴音域(20Hz〜20kHz)の音も可視化できるモデルがあります。つまり人間が聞こえる音の発生源も画像として表示できます。
この特性により以下のような幅広い用途に応用できます。
意外な用途①:ネズミ忌避装置の動作確認
背景 食品工場・倉庫・農業施設ではネズミ対策として超音波式ネズミ忌避装置が使われています。この装置は人間には聞こえない超音波を発生させてネズミを追い払います。
課題 超音波式忌避装置は人間には聞こえないため正常に動作しているか確認する手段がありませんでした。装置が故障していても気づかずに放置されているケースがあります。
音響カメラの活用 音響カメラを使えば忌避装置から発生している超音波を可視化できます。
- 装置が正常に超音波を発生しているか確認できる
- 超音波の向き・照射範囲を可視化できる
- 複数台設置している場合のカバー範囲を確認できる
- 故障している装置を特定できる
設置後に「本当に機能しているのか」という疑問を持つ担当者からの問い合わせがありました。音響カメラで実際に超音波が発生していることを確認できて安心されました。
意外な用途②:ロボットの静音化・騒音源の特定
背景 産業用ロボットの動作音が大きい・特定の動作時に異音がするという課題を持つ工場があります。騒音対策・品質改善のためにどこから音が出ているかを特定したいというニーズがあります。
課題 ロボットは複数の関節・モーター・ギアが同時に動作するため音の発生源を耳で特定するのが困難です。
音響カメラの活用 音響カメラの可聴音可視化機能を使うことでロボットのどの部分から最も大きな音が出ているかを画像として確認できます。
- 最も音が大きい関節・部品を特定できる
- 動作ごとに音源がどう変化するかを可視化できる
- 騒音対策の優先順位を客観的に決定できる
- 修繕・改善後の効果を数値で確認できる
ロボットメーカー・自動車工場・電子機器メーカーからこの用途での問い合わせがありました。
意外な用途③:機械設備の騒音源特定
背景 工場内の特定の設備から異音がするが原因がわからないというケースです。複数の設備が稼働している環境では音の発生源を特定するのが困難です。
音響カメラの活用 可聴音域の音を可視化することで複数の設備が稼働している中でもどの設備・どの部分から音が出ているかを特定できます。
- プレス機・射出成形機の異音源特定
- コンベアの異音発生箇所の特定
- ギアボックス・減速機の騒音源特定
- 空調・換気設備の騒音源特定
意外な用途④:電気設備の放電音可視化
前述の通りH4以上のモデルは放電検知に対応しています。高圧設備の部分放電は超音波帯域の音を発生させます。
変電設備・高圧ケーブル・がいしの絶縁劣化による放電を可視化することで重大事故を未然に防げます。
意外な用途⑤:建物・構造物の調査
空気漏れの可視化 建物の気密性能の確認・隙間風の発生源特定に使えます。省エネ改修前の診断として活用できます。
換気・空調の気流可視化 空調設備からの気流の向き・到達範囲を可視化できます。クリーンルームの気流管理にも応用できます。
音響カメラが可視化できる音の範囲
| 帯域 | 周波数 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 可聴音 | 20Hz〜20kHz | ロボット騒音・機械異音・建物調査 |
| 超音波(低域) | 20〜40kHz | エア漏れ・ガスリーク・忌避装置 |
| 超音波(高域) | 40〜100kHz | 放電検知・精密リーク検知 |
まとめ
- 音響カメラはエア漏れ検知以外にも幅広い用途がある
- ネズミ忌避装置の動作確認・照射範囲の可視化に使える
- ロボット・機械設備の騒音源特定・静音化に活用できる
- 可聴音域の可視化機能により人間が聞こえる音の発生源も特定できる
- 放電検知・建物の気密診断・気流可視化にも応用できる
- 用途のアイデア次第でさまざまな現場課題を解決できる
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