音響カメラのROI計算――導入コストを何ヶ月で回収できるか

音響カメラの導入を検討している現場担当者から「投資回収までどのくらいかかるか」という質問をよく受けます。この記事では実際の数字を使ってROI計算の手順を解説します。

ROI計算の基本的な考え方

音響カメラのROIは以下の式で計算できます。

投資回収期間[月] = 導入コスト ÷ 月間削減コスト

月間削減コストは以下の合計です。

  • エア漏れ修繕による電力コスト削減
  • 外注点検費用の削減
  • 突発停止回避による損失削減

具体的な計算例

前提条件

  • 工場面積:5,000㎡
  • 音響カメラ導入前のエア漏れ率:30%
  • コンプレッサー消費電力:75kW
  • 電力単価:25円/kWh
  • 年間稼働時間:8,000時間
  • 外注点検費用:年間50万円

①エア漏れ削減による電力コスト削減

導入前の年間電力コスト:75kW × 8,000時間 × 25円 = 1,500万円

エア漏れ率30%の損失:1,500万円 × 30% = 450万円/年

音響カメラ導入後にエア漏れ率を10%に改善した場合: 削減効果 = 450万円 – 150万円 = 300万円/年削減


②外注点検費用の削減

年間外注点検費用:50万円 → 内製化により50万円/年削減


③年間総削減コスト

300万円 + 50万円 = 350万円/年

月間削減コスト:約29万円/月


④投資回収期間

TD2e Kitを導入した場合、詳細な価格はお問い合わせいただきたいですが、一般的なエントリーモデルの価格帯であれば多くの場合1〜2ヶ月以内に投資回収できる計算になります。


工場規模別の投資回収期間の目安

工場規模年間削減コスト目安投資回収期間目安
小規模(〜1,000㎡)50〜150万円3〜6ヶ月
中規模(1,000〜5,000㎡)150〜500万円1〜3ヶ月
大規模(5,000㎡〜)500万円以上1ヶ月以内

ROI計算で見落としがちな効果

数字に表れにくいですが以下の効果も重要です。

①突発停止の回避 エア漏れによる圧力低下が原因の設備停止を防ぎます。製造業では1時間の停止で数十万〜数百万円の損失になることもあります。

②点検作業の安全性向上 高所・危険エリアへの立ち入りが減ります。労働災害リスクの低減は金額換算が難しいですが重要な効果です。

③点検の標準化 担当者が変わっても同じ品質の点検が可能になります。技術伝承コストの削減につながります。


稟議を通すためのROI資料の作り方

音響カメラ導入の稟議を通すには以下の数字を揃えると効果的です。

  1. 現在のエア漏れ率(無負荷時間計測法で算出)
  2. 年間のエア漏れ損失コスト
  3. 現在の外注点検費用
  4. 音響カメラ導入後の削減見込み額
  5. 投資回収期間

これらをA4一枚にまとめた稟議資料を作成することをお勧めします。


まとめ

  • 音響カメラのROIはエア漏れ削減+外注費削減+突発停止回避で計算する
  • 中規模以上の工場では1〜3ヶ月での投資回収が現実的
  • 数字に表れにくい安全性向上・標準化効果も重要
  • 稟議を通すには現在の損失額を数字で示すことが重要

ROI計算のサポート・稟議資料作成のご相談はお気軽にお問い合わせください。現場の状況をお聞きして試算します。

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